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26日目:2000年3月5日(日) はれ
主な移動経路:N.Yからノーフォークへ
宿泊地:ターシャの寮


#ひさしぶりのノーフォーク

初めて耳にした人もいるだろうが、ノーフォークはバージニア州にある町である。

ここに1年3カ月ぶりに戻ってきたのだが、辿り着くまでにまた荷物迷子事件があって1人で焦ってしまった。それにしても、乗り換えのリッチモンドで荷物がなかったのに、どうしてノーフォーク着いたときにちゃんとわたしの荷物でてきたのかは未だ謎である。

ディーポからはタクシーを捕まえなければならない。停まっているのは黄色じゃないけど大丈夫だろうか、とひそかにどきどきしていたら、わたしが乗るときにちょうど黄色のタクシーが来た(!)。やっぱタクシーは黄色が安心である。うむ(保証無)。

大学の寮の下から電話をし、ターシャの部屋へと行った。

ひさしぶりのターシャは、さらにスタイルがよくなっていて、ストパ(ストレートパーマ)をかけていた。まだまだ黒人さんの間ではストパがブームらしい。そして、こっち来てからずっと思っていたけど、ケイタイが大流行だ!ターシャも持っているらしい。1年ちょっと前までは、持っている人なんて殆どいなかったのに。

でも、まだ初期だからか、それとも体格に合わせてなのか、大きさはアメリカンサイズ。でかかった。月々に払うお金はだいたい50ドルだとTASHAは言っていたので、あまり日本と大差はないようだ。

KEI-KEI(以前はターシャ、キーキーとわたしの3人は同じ部屋のルームメイトだった。ルームメイトは、気が合う人がいれば自分で選ぶことができる)は隣の寮に住んでるという。

「なんでキーキーとターシャは今学期は一緒の部屋じゃないの?」

すると、「シークレットよ」と言ってからこう打ち明けてくれた。

「だってキーキーは、絶対に食べた後洗い物しないから。わたしもメッシー(部屋をちらかすこと)だけど、彼女はハンパじゃないし。もう、ルームメイトはイヤ。今度のルームメイト?!うーんそうねぇ。まーまーってとこかしら。」

あのー、わたしが居たときは、どっちも後片付けしなくて、いーーーーっつもわたしがやっていたような気がするんですけど、TASHAさん(笑)。

ということは2人は仲悪くなったのか、と思いキーキーの話をしないでおこうと思ったのに、「これからKEI-KEIのところ行く?」とターシャが言い出した。あれ、ケンカしたということじゃないの?!

KEI-KEIに会いたかったので、行くことにした。

KEI-KEIとTASHAは昔と同じように仲良く話していた。あっさりしているなぁ。ただ一緒の部屋はイヤというだけなのか。KEI-KEIに今度の ルームメイトはどうか、訊いてみた。

「そうねぇ。まー悪くはないけど。あのこたち、
全然食器を洗わないからほんと迷惑だわ

それはあなたもでしょ!

というターシャのツッコミを待っていたけれど、TASHAは何も言わなかった。TASHAは大人だな、うむ(感心)。

それにしても人がいない。どうやら今は春休みということで、ほとんどの人は旅行に行ったり、実家に帰ったり、遊びに行ったりしているということであった。なんでこの2人だけ、ここにいるの?!

TASHAは、まだ授業があるのでみんなの授業が始まる頃、休みになるといった。まぁ2人とも車を持っていないしね。ここは車がなければどこにも行けないから。

部屋に戻ると、TASHAの家族の写真と、CDをプレゼントにくれて、それからごはんを作ってくれた。ありがとう。

「こーんなに食料あるから、ここにいる間ケオリは餓死することはないわ。好きなときに好きなものを食べなさい」

本当に棚にはぎっしりあった。ターシャが作ってくれたチキン、めっちゃおいしかったよ。でも・・・コーンフレークを食べようとしたとき、TASHAが牛乳をかけてくれたのだけど。

食べた後でイーヴィー(この部屋のほかの住人)が言った。

「TASHA、この牛乳6日も過ぎてるじゃない!もうヤバイわよ」

なに!?6日も過ぎとるって!!
ちなみにわたしは牛乳とヨーグルトには賞味期限にうるさいのだ(こだわり派)。




「大丈夫よ。ケオリがさっき食べたから。」




いや、ターシャ。そういう問題じゃないと思うんですけど。ターシャのやつめ・・・明日お腹大丈夫かな(大汗)。

夕方、片道20分くらいのセブンイレブンまで2人で買物に行った。ターシャの好きなバニラアイスを買った。”バニラ”の発音ができなくて、何度も教えてもらったよね。夜、2人でよくバニラアイス食べたよね。

もちろんいちばん大きなやつを買った。

余ったら、ターシャにあげたらいい。

24日目:2000年3月3日(金) はれ
主な移動経路:ノーフォーク
宿泊地:ターシャの寮

「ケオリ、起きて。」

6:40。お腹は大丈夫のようである。牛乳は6日過ぎたものでも大丈夫そうだ(人体実験)。多分こっちの牛乳はペットボトルに入っているからだろう(だからはじめから書いてある賞味期限も長い)。

それがパックに入っていたら・・・パックは傷みやすい気がするのはわたしだけか。

TASHAはわたしがよく寝るということを知っているので、ギリギリまで寝かせてくれた。今日はターシャが先生をしてる学校へ行くのだ。毎日毎日、この時間に起きて学校へ行っているらしい。(TASHAは学校の先生になるのだ。今は教育実習みたいな感じ)まだ大学卒業していないのにね。まるで本当の先生みたいだ。

「え?何言ってるの。今教えてるのは小学校1年生よ。」

うそ?!「だって前わたしがここに居たときは、ちっちゃい赤ちゃんとか。 幼稚園で教えてたじゃん。」「それは前でしょ。今は小学生」

急にドキドキしてきた。小学1年生・・・もうかなりナマイキになってる頃だよね。こっちの小学1年生・・・でかいだろうな・・・ああ、ドキドキ。

普通の公立の小学校だというのに、こんな見ず知らずのわたしなんかが、教室のすみっこに忍び込んでもOKということであった。寛大だね。ということで、本日ターシャと一緒に出勤です。

でかいねぇ
ターシャが一人で書いた絵 よくがんばりました

ちゃんとすみっこに机があって、そこでわたしは教材用の資料に色をつける作業(つまり簡単に言えばただのぬり絵)を与えられた。

これでヒマをつぶせるだろう。それにしても、こっちの学校って日本の教室とまるで違うのだ。

その?:幼稚園のような机。(長い机で2,3人座れる。)
その?:空間がいっぱいある(まず教室って広い!と感じる)。
その?:じゅうたんが敷いてある。
その?:教室に先生の家族の写真が飾ってある。
その?:トイレがある。

8:20頃、子供たちが登校。なんだチビっこじゃん!(安堵)やーいやーい!!

想像よりもかなりおちびさんたちで本当に安心した。「1日中、1人で教えるのは初めてだからナーバスになっているわ」とターシャは言っていたけれど、挨拶なんてなしに授業が始まると、ターシャは、先生そのものであった。TASHAやるなー!

雑用しながら授業の様子を見ていたけど、20人くらいいるちびっこたちは実によく動く。トイレに行きたければ、先生(ターシャと、本来のこのクラスの担任の先生)の許可なくトイレに行くことができる。

テレビを使う内容になるとみんながゾロゾロ、TASHAが絵本を読むといったら、じゅうたんゾーンにゾロゾロ。授業は11:30まで1回も休憩なし。内容もいろいろ。算数をしたり、国語をしたり。

話を聞かなかったら、注意はするけど、「あんたトイレ行きすぎよ」「きょろきょろしないの」・・・そんなことは一切言わない。そりゃ、そーだ。こんなちっちゃいこに、ずっとじっとしていろ、という方がムリな話。実に自由な感じがした。それに比べて日本の小学校って・・・今思い返してもクラスに45人くらいいて、教室って狭かったなぁ。手遊びするなとか、口うるさかったな、宿題がどっさりあったなぁ。

そんなことしか思いだせない。

わたしより早起きしたターシャAが作ってくれたお弁当を2人で食べながら、そんなことについて話した。TASHAがいちばん驚いていたのは、1人の先生が、45人の生徒に教えている、ということだった。

「1人で45人に教える?!1人で教えるなんて不可能よ。先生にだってサポートが必要よ。」

ずっと机に座りっぱなしっていうのも驚いていたな。

昼ご飯の時間は短くて30分くらいしかなかった。またこどもたちが食堂から戻ってきてすぐに授業が始まった。掃除の時間はないらしい。午後は12:00から14:30まで。

途中でおやつの時間もあり、ちゃっかりわたしももらってしまった。わーい(笑)。

ぬり絵をしていると、ちっちゃい女の子がやってきた。日本の子供のようだ。アジア系だろうか。わたしが塗っている絵をじっとみて、

"I like it.(わたし、それ好きよ。)"

といって走って去って行った。ありがとう(笑)。授業中はあんまり話せなかったけれど授業が終わってスクールバスを待つ間、外の校庭でこどもと遊んだ。

1年生はちびっこでした(笑)

こどもは本当にかわいい。
7歳だと言うのにやたら大人びたコとか、ヒールを履いたギャルなコもいたし(笑)。あんた、危ないからそれでジャングルジムに登るのはやめなさい!はずかしがりやさんのコとか・・・昔のわたしを見ているみたい。。

ターシャは放課後は明日の準備があるとかで16:30まで残って仕事。先生は大変だ。でも、今日のターシャ、めっちゃかっこよかったよ。

27日目:2000年3月7日(火) はれ
主な移動経路:ノーフォークからアトランタへ
宿泊地:グレイハウンド(車中泊)

今日は実に暑かった。半そででOKだ。

TASHAは、今春休みやから大学の先生はいない、と言っていたたけれどどうしてもここにいたときの先生に会いたくて行ってみることにした。建物には電気がついてるんだけど・・・驚かせようと思って全然連絡しないで来たから。まさか春休みだとは。

お、先生がいる。BILLはいるだろうか。「あのービルいますか?」「あ、ちょっと待って」

「オ〜〜〜〜!カオリ〜〜!何でここにいるんだ?!」

BILLはいちばん仲良しだった先生で、9ヶ月前に日本にBILLがやって来たときも会えた。お世話してくれてたアン(おばちゃん)も、ちゃんと名前覚えててくれていて本当によかった。この2人がいちばん好きだったから。けど、2人とも忘れんぼうさんだからね(笑)。忘れられているかと思ったよ。

聞けば、今日はたまたま2人とも仕事があって学校に来ていたとのこと。

「それにしても、どうしてここに来たんだ?」

これこれコーデ、グレイハウンドでアメリカを1周している言うと、2人して、「アンビリーバボー」。よほどグレイハウンドは人気がないらしい。

「グレイハウンドにはときどきクレイジーなやつが乗ってるからな。あ、カオリもクレイジーだから大丈夫か。」

その通りです!(笑)それにしても、本当に会えてよかった。

この大学周辺が大きく変わっていること、それから、ラピッドシティの大統領について訊いてみたり。2人とも、今年日本に来るかもしれないとのこと。BILLは何回も来てるから大丈夫と思うけど。

大の広島カープファンのくせに(また稀)、今度は大阪に行くからと阪神の帽子購入していたビル(偽阪神ファンオヤジめ・・)。ANNEは大丈夫かな。のんびりしてるからね。キャッチセールスでだまされたりしないだろうか。わたしが心配だになる。

「今度来るときは、ちゃんと連絡してね。そしたらパーティ開くから」

そう言ってくれた。そこに、わたしという人間を知ってくれている人がいるって素敵なことだね。

夕方、TASHAとKEI-KEIの友達が車でディーポまで送ってくれた。

ターシャは、5月で大学を卒業だ。もうすぐ正式に先生になる。

「7月、8月は夏休みで仕事休みだから、ケオリが北海道に行っていなかったら日本へ行くわ。次、ケオリがアメリカに来るのはいつ?2〜3年後?TOO LONGよ。長すぎるわ。わたしも今が春休みだったら、絶対にケオリについてバハマ行って、だって、ディズニーワールドにはモモコもくるんでしょ?あーずるいわ。UNFAIRだわ。わたしもいきたーい。ミッキーに会いたい」

はい、無理です(笑)。でも、ターシャはミッキーが大好きだもんね。 いつか日本にも来てね。アメリカに比べたら大分狭いけれど。

2人にハグをし、バスに乗りこんだ。

前にターシャと別れるときに、泣いたから今回は絶対に泣かないぞ、と思っていた。それでも、バスの窓からTASHAの姿が見えなくなるとやっぱり涙がでてきた。ターシャはやっぱりケオリに優しかった。今年じゃなくってもいつか絶対にターシャを東京ディズニーランドに連れて行ってあげたい。一緒に行きたい。そう強く思った。

アトランタ・・・ノーフォークから南に向かうのに、なぜかニューヨーク行きのバスに乗りこみリッチモンドでやっと南方面のバスに乗ることができた。

それにしても”アトランタ”の発音が苦手(涙)。ソルトレイクシティより難しいよ。やっぱり”L“がちゃんと言えてないんだろうね。

これが今回最後のグレイハウンドの旅。いよいよ、このバスともお別れだ。

バスは満員。隣に男の人がやってきた。彼は勝手に自己紹介を始めてきた。

「キミはカオリっていうんだ。日本のこでしょ?僕ね、大学で先生をしているんだけど、同じ名前のコがいるからさ。」

彼の名前はシャーン。ミドルネームらしい。シャーンは・・・とにかくよく話しかけていた。わたしが眠っていてもお構いナシ。何だかちょっと調子がよくないから寝てるのに。

「バーガーキングに止まったよ。何か買わないの?」「食欲ないから・・・」 と言うと目をまんまるくして「本当に?!」。
本当!

横向いて寝てるのに、ツンツンしてきて、「カオリ、寝てるの?」。
寝てるの!!

「ゲームボーイしない?」
しないってば・・・

「ライト、まぶしくない?」
まぶしくないから・・・

「お腹空いてない?」食べたくなったら自分で食べるから・・・あー!もー!ほっといてくれー寝たいんじゃ。と思ったけれど、悪気はなさそうだったので、強くは言えなかった。

それでも、リボーディングのためにでわざと帽子を座席に置いてから降りたのに、追いかけてきて

「カオリ〜帽子忘れてるよ〜!」

いや・・・置いてきたやつだから・・・(疲)。

本当に気分が悪くて、出発までの時間、ディーポのすみっこに座っていたらシャーン登場。

「ポップコーン食べる?」「食べたくないからいいや。」と言うと、「これ、キミのために買ってきたのに・・・」いや・・・だれも頼んでないんですけど。

あまりに悲しそうな顔をするのでとりあえず3粒くらい食べておく。

話すのもつらかったので、トイレに逃げ込んで20分くらいの待ち時間、ずっとトイレに座っていた。出て行くと、

「歯を磨いてたの?」

20分も磨く人がどこにおるっちゅーねん!

ゼェゼェ。

再びバスに乗るときに、よっぽど席をかわろうかとも思ったけど他に空席はなかった。いろんな意味で頭が痛い。熱がでてきたな。こりゃ。

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