←戻る     次へ→
23日目:2000年3月2日(木) くもり
主な移動経路:シカゴからN.Y.へ
宿泊地:グレイハウンド(車中泊)


#ニューヨークへ

今日はシカゴを離れる日。
結局あっきーの下宿の洗濯機は壊れたまま直らなかったので、洗濯をさせてもらうことができなかった。ニューヨークかノーフォーク行ってから洗濯するとしますか。体重を計ったら2〜3?減。小さくガッツポーズ!

あと2週間で日本。もう3週間も経ったのか、ここへ来て。それにしても今までここに来てから1回も帰りたいなんて思ったことがない。毎日が楽しく手仕方がない。なんかこうして、いつまでもこの国に居れそうな、そんな気持ちになる。

けれど、初めて前に進みたくないと思ってしまった。

これまでは次へ、次へ、と進むのが楽しみだった。どんなところへ行くのだろう、わくわくしていた。なのにどうしてだろう。

それはここにあっきーがいるからだろうか。次のニューヨークへ行ったことがあるからだろうか。

それでも、バスの"NEW YORK"という文字をみると、胸がどきどきしてくるのがわかった。

ターミナルでは、ニューヨーク行きのバスを待ってる人が多かったわりに、中に入ると意外と空いていて、窓側の席に座ることが出来た。わたしの前でバスを待っていたおばあちゃんは、1人でどうやって!?というほど荷物を持っていた。あっきーとわたしがいなかったらどうやって運んだのだろう。

あっきーはバスに乗るわけでもないのに、最後まで荷物運びしていたし。本当にありがとう。あっきーがあと1年半いる間に、また来たい。本当にごはんおいしかった。

日本に戻ったら牧場の求人探しもしないと。たくさんするべきことが待っている。

毎日毎日、のことだけでなく、少し日本のことを考え始めた。


24日目:2000年3月3日(金) はれ
主な移動経路:シカゴからN.Y.着
宿泊地:N.Y.のユースホステル

N.Y.も寒い。

ニマっ!
MRピーナッツ君発見

40分も早い、朝7:20に到着。
それにしても、ビッグアップル(ホステル)に2回目の電話したら、11時までだかなんだか、とにかく直接来てくれと言われたから行ったのに、もう部屋はないといわれた。はい?迷ってやっとたどり着いたのに。プンプン。

とにかく宿の確保だけはしておこうと思い、ハーレムの方にあるYHへ行くことにした。ここなら部屋はあるだろう。1泊24ドル。それにしても想像以上に綺麗。ロッカーに荷物を入れて、街へくりだすことに。

ニューヨークへ来た目的は美術館・セントラルパークの動物園の2つに尽きる。

受付のおばちゃんにセントラルパークの動物園に行きたいので、地図があるかどうか訊いてみると、今日、無料のセントラルパークツアーがあるからそれに参加しろ、という。動物園に行くか、と訊くと、行くと言ったから参加してみたけれど・・・一緒に行ってたのは20人くらいのうち、15人くらいがフランス人。

しかも、説明する人が話してる途中でもベチャベチャフランス語で話してばかりだ。うるさいなぁ。1人、2人とこのツアーから人が抜けて行く。1時間程歩いてもわたしが行きたいところへは行きそうな雰囲気がない。

こんな人たちと一緒にいるくらいなら自分で行きたいところに行ったほうがマシだ、と思ってわたしもこの輪から抜けることにした。

でか!

メトロポリタン美術館へ。人人人!!よくこれだけ、絵に関心のある人が集まったものだというほどに人で溢れ帰っている。学生は5ドル。

人に流されながら、それでもルノワールの絵を見つけると、足を止めて好きなだけ妄想に浸った。ここにあったのは後ろ姿の2人の少女。この2人は何を話しているのだろうね。

セントラルパークの動物園は噂通り、小さな動物園。種類もありきたりだし。でも、アザラシのショーはなかなかかわいらしかった。シカゴのリンカーン公園の動物園のほうがずっとすごかったけど。それでもやっぱり動物園という空間はいい。ちなみにセントラルパーク動物園は3.50ドル。

セントラルパークにて歌う人
歌っている人がいた@日本人

今日は16:30から近代美術館がDONATIONになる。入場料を自分で設定できるのだ。よくわからなかったけど、ほとんどの人は、1人1ドルと言ってたので、みんなのまねっこをしておいた。でもメインの2FがCLOSED3Fにはモネの睡蓮の大きな絵があった。あまりモネのシリーズ物は好きじゃないけど、大きいのはなかなか迫力があり、1ドルなら大満足。でも、正規の値段では高いかなと思う。

今日はYHのある103丁目から46丁目まで歩いたので少々くたびれた。帰りは地下鉄に乗って帰ったけれど。なんだかアルコールを飲みたい気分だったので、お酒を買って、たまらずその場でグビグビ。あーうまい!!

荷物を持って部屋に行くけれど、とてつもなく雰囲気の悪い部屋である。8人ほど先客がいたのだけれど、1人を除く全員が挨拶をしてもムシですよ。こんなこと初めてだ。

ラーメンを持ってキッチンへ避難。日本語に吸い込まれるように、仲間にいれてもらう。

もうすぐロボット関係の仕事につくというお兄さんは、アメリカへ→エジプト→アメリカに戻ってきたらしい。

「エジプトなんか行くんじゃなかった。ツアーで行ったらおもしろいと思う。」

エジプトこそ、個人で行ったほうが面白そうなんだけどな。

あとは、名古屋の女子1人×2人。二十歳くらいの男子。みんな周遊券のチケット(飛行機)で旅をしてるらしい。それから、おじさんが1人。大学の先生で、文献を調べに来てるとのこと。ということでわたしを入れて6人。それぞれが一人旅。キッチンではそれぞれの国の人がそれぞれの言葉で盛り上がっていた。

シブシブ部屋に戻ると、わたしだけでなく寝ている人が他にいるというのに、知っていてCDをかけはじめた。しかも大音量。どうやらフランス人。いい加減にしてください。

それにしてもCDラジカセを持ってよく旅するね・・・重いだろうに。

眠れやしない!!

早く朝になってほしいと願いつつ、そんな大音量の中でもいつの間にか熟睡した自分が恐ろしい。


25日目:2000年3月4日(土) はれ
主な移動経路:NYからノーフォークへ
宿泊地:グレイハウンド(車中泊)

7:30。早く出て行こう。うむ。

寝る前にパッキングは済ませていたので、とっととチェックアウト。ポートオーソリティ(グレイハウンドが出ているターミナル)へ向かった。バックパックを預けておけば身軽だからね。

ロッカーはないけど、地下の”グレイハウンド・バッゲージ”というところで1個につき、2ドルで預かってくれた。そして、自由の女神へ。1本逃してしまったけれど、すぐに次のフェリーがやってきたので、それに乗っかって島へ。

女神への登り口で、話ができたマユさん。今日、カナダからバスでニューヨークに到着して、セントラルパークからこのフェリー乗り場まで歩いて来たと言うのだ、その時間何と3時間!(笑)

女神のおでこより
おでこから見える風景

マユさんはカメラを持っていない。

「写真ってね、撮ってたんだけど、絶対に思ったとおり撮れないの。見た通りに撮れない。後から友達に見せても、こんなんじゃなかったって。うまく説明できないし。それがくやしいから、旅行とかに行っても、カメラ持って行かないことにした。」

いろんな人がいるんだね。わたしなんか撮ってばかりだ。一瞬を、目にした一瞬を、全てでなくても収めたいと思ってしまう。確かに、見たまま撮れない。でも、何枚か撮るうちに、これ、って思える写真もあったりするよ。

下りてから、マユさんと女神を見上げた。

「なんか女神ってたくましいよね。これって絶対コドモを産んだ後の女の人だと思わない?」
「あーそれわたしも思ったよ!」
「右足のかかとがあがってるね!あれかわいい!」

いやん☆

雑談しながら、わたしは今回どうしても、真っ青な空にある、女神を写真に撮りたかった。

雲が流れるまでマユさんと待った。

うん、そう、これ。
ねぇ、マユさん、
これ、わたしたちが見たまんまだよね

マユさんとは途中の地下鉄で別れた。写真も一緒に撮らなかった。でも、マユさんと話せてよかった。

わたしは、ずっと上の方のブロンクスへと向かった。
マンハッタンより上の方に行くのは初めてだ。

どうしてここへ行ったかと言うとニューヨークに来てから、ここの辺りにも動物園があるということを発見したからだ。今日は土曜日で、終わるのが早くて・・入ったものの、あまりゆっくり堪能できなかった。でも、この辺はこの辺で随分にぎわっている。今度ニューヨーク来たときは、こっちのクイーンズ・ブロンクスを探検してみよう。

動物園の入り口

マンハッタンに戻り、エンパイヤステートビルへと向かう。今回こそは夜景を見ようと思ったからだ。でも、入り口入ったものの、やはり外へ出てしまった。

もう、ここは一番高いビルではない。でも、なんとなく、ここへは、すごく大切な人・・・親友とか、彼氏とか、いや、彼氏はだめだね。結婚する人や、世界1周や、なにか自分にとって大きなことしたときや。そういうときのためにとっておこうと思った。今日、ここへ登ってニューヨークのの夜景を見てしまうのはもったいない気がしたのだ。

ニューヨークのグレイハウンドには数え切れないほどのゲートがあった。何百あるというのだろう。きっとわたしが知らない街とも、この世界一の街は繋がっているのだ。やってきたバスにさえ飛び乗れば、行くことができる。

立ち並ぶグレイハウンドのゲートは、夢、チャンス、新しい世界へと続く、不思議な、魔法のゲートに思えて仕方がなかった。

また必ず来ると心に強く思い、わたしはリッチモンド行きのバスに乗り込んだ。


←戻る     次へ→